愛しのパパ

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   二人の帰宅が待ち遠しかった。    夜の十時も過ぎた頃、玄関の鍵が開く音がした。    呼吸を整えて、はやる足を抑えて玄関まで出迎える。    片手にケーキの箱を持ったその人の姿が、あまりに懐かしすぎてほろほろと涙がつたってきた。    ケーキを持った手を少し上げて、その人は微笑んだ。 「ただいま。みどり」 「おかえり、パパ」   ありえないことなんて、ない。  私は、一年ぶりに愛しい人の手をとった。 【了】
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