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それからみんなでプレゼントを渡した。
京香は化粧水を渡していた。
ママは「わー、ありがとう。これであと10年は若い子には負けないわ」
知美は「はい、お誕生日おめでとう」
「開けてもいい?」
「うん」
開けるとママは大声になり「除毛クリームじゃないの! ありがとーう。森高千里みたいな脚が欲しかたの。見てよこの汚い脚」と、毛むくじゃらな足を見せてきた。
私が「やだ、汚い」
京香が「キャー」
ママがうつむきかげんになりながら「私だって森高みたいに生まれてきたかったわよ。なによ汚いだなんて言うことないじゃない」が、ぐっと気持ちをおさえて、「いやだー、暗くなっちゃったじゃない」そして男の声で「反省」
珠江は「ママは脂性だから、これでニキビケアしてね」
「まー、うれしい」ママは、見せていた脚をさっとしまい、また例の調子で「サプライズパーティーなんて、アメリカのクソ映画の中だけでやるものだっとばっかり思ってたけど、信じられない、現実にあるのねこういうことが。長生きしていてよかったぞ、私。今日と言う日は忘れません」
感極まって、その声が震えていることに気づき、私が電気シェーバーを渡したら、ママは「イヤーンありがとう! 毎朝これでジョリジョリ髭剃りまーす」すぐにあふれんばかりの笑顔になる。
ひとまずケーキはキッチンの冷蔵庫に戻して、乾杯して、テーブルを囲んで、みんなでおいしそうにシャンパンを飲んで、料理を食べておしゃべりした。まあそんな感じだったかな。
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