オン・ザ・ロード

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そんなこんなで、2週間後。私は知美とママの店に行った。 「いらっしゃーい!」   あのママの声が今にも聞こえてきそうだ。 ママは私にとっては象徴的な存在だった。なにものにもわずらわされず、誰からも動かされず、そして自信は、誰に対してもたいどをかえようとはしなかった。そう、あるがままなのよ。 本当なら、私も知美もこのような店にいる女じゃない。自分がどう生きていったらいいのか迷う時、どういうわけかママに会いたくなった。 「ちょっと、ちょっと、こないだあんたからもらった化粧水使ってるんだけど、お肌が改善されたのよ。見て見て、美肌効果抜群じゃない?」そう言ってチークで隠れた頬を見せてくる。 「化粧水あげたのは京香じゃなかったけ?」知美が私を見る。 「あら、そうだっけ? 年とるって怖いわ、記憶が飛んじゃったのかしら」 「お前が飛べよ」と知美が突っ込んだ。 知美のこういう言い方に、私は手を叩いて笑った。 「知美」ママが言った。「あんたからもらったスキンケアの商品でニキビが消えたの。ちょっとビックリしたわ」 「スキンケア商品は……珠江?」と、知美が私を見た。 「そうだった?もうこれだものね。ゴメンゴメンなさいね」と言いながらもママが脚を見せてきた。「どう?森高千里の脚に見えるでしょう?」 私と知美は手を叩いて笑った。そして私は言った。「ママ、私があげたのは? 覚えてる?」 「ジョリジョリ君でしょう。ちゃんと毎朝使ってるわよ」 知美が言った。「ママふるいんだもん。ブラピだとか森高千里とか、おかしくて笑えてくる」 「可愛い顔してあんたも言うわね」とママは変なポーズ、たぶんシェーをしながら言った。「私の青春そのもよ。そのへんは大目に見てください」
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