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リビングにやって来た三人
「おめでとうエイダ
素敵な花嫁さんよ」
ウェディングドレス姿のエイダ
純白のドレスに漆黒の髪が映える
パムの言葉に微笑むエイダ
「ブーケこの大きさで
よかったかしら?」
ブーケを手に取り確認する
「はい、ありがとうございます」
レティシアの職業は
フラワーコーディネーター
「ほんと、素敵なお仕事ですね」
「あら、あなたもでしょ」
レティシアに誉められ照れ気味で
「私は好きなことをしてるだけ」
そう言って窓の方に歩き出し庭の緑の木々を見るオフィーリア
「好きなことが仕事にできるって
素敵なことだわ、でもそれを続けていくことは大変なことよ」
神妙な表情のレティシア
「そうね、レティもいろいろ大変なことがあったからね…」
彼女を見ながら言うパム
「私自身は大変なことだなんて
思ってないわよ、好きなことを
続けてるだけだから…」
「好きなこと…」
彼女を見るオフィーリア
「そうよ、だから好きな人の為に
家庭を守っていくって素晴らしい
ことだわ、まぁ私は一回失敗してるから何も言えないけどね」
寂しげな表情のレティシア
「一つだけ言うと、お互いに思いやりを忘れないこと…かな」
そしてパムを見た
「パムとジャックを見てると
ほんと、そう感じるわ」
「いやだわ…
私なんて何もしてないわよ」
「ふふ、何もしてないって当たり前の出来事を当たり前だと思えることは幸せなことだわ」
「ほんと、そうですよね」
二人の会話を聞いていたエイダ
何かを思い出すかの様に話しだす
「我が家も普通の家とは違ってたかも…でもまだ子どもだったから
そこだけが自分の世界だったわ…
でもね、両親には愛されてた
それがどんなに素晴らしいことか
その時はわかってなかったわ」
寂しげな表情になるエイダ
「あのね、子どもの頃のことより
大切なのはこれからなんだから!
おじさまはエイダの幸せを願ってるんだから…」
エイダの手を握り力強く言う
「フーちゃん…」
エイダの黒い瞳から流れる涙
その涙を優しく拭うパム
「花嫁さんには涙より笑顔よ」
「娘のこんな素敵な姿を見たら
おとうさん、ないちゃうわね」
ブーケを手渡すレティシア
「結婚式始まるわよ、みんな待ってるわ、庭にでましょ」
オフィーリアに言われ歩きだす
「私、パパさんたち呼んでくるわ
先に出ていってね」
そう言って階段へと走りだした
オフィーリア、三人はゆっくりと玄関に向かって進んで行く
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