ハッピーウェディング(素敵な一日)

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「エイダ、楽しい顔してる」 レティシアと一緒にブーケ作りを始めた彼女を見て呟いたグレアム 「レティも嬉しそうだわ」 パムも笑顔で二人を見つめた 「自分の娘とはなかなか一緒に 居れないから楽しいのかもね…」 アンジーが話しに割り込む 「僕がここに居た時はいつも悲しい顔してる方が多かった…」 「グレアム…」 パムが心配そうに彼の顔を見る それに気づいたグレアム 「アンジー フーちゃんほっといていいの?」 話題を反らし彼に言った 「勝手に拗ねてるだけだよ」 また不機嫌になるアンジー 「私、心配だから見てくるわ」 パムの言葉に彼女を見るアンジー 「そんなに心配しなくても…」 「私が心配なの!」 そう言って庭を見回すパム 小さくため息をついたアンジー 「パム、フー姉さまならきっと あの緑のトンネルの先のグレアムの家の前にある木の下にいるよ」 庭の奥の木々を指差した まるで緑のトンネルのようだ 「じゃあ僕が案内するよ」 隣に居たグレアムがパムに言った そして歩きだす、少し躊躇うパム 悠々と歩く彼についていく 二人の後ろ姿を見送るアンジー 「どうしてフーちゃんの居場所 わかるの?」ブーケ作りをしながら訊ねるエイダ 「この間来たときにあそこが好きだって言ってたからね」 「そこまでわかってるのにけんかばかりしてるんだから…」 呆れ気味で言ったエイダ 「けんかしてるわけじゃないよ」 拗ねた口調のまま呟くアンジー そして二人が歩いて行った先を じっと見つめた
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