13回目のカウンセリング

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13回目のカウンセリング

いつも通りスーツ型の男たちが待っていた。 「お久しぶりです。おや、腕に擦り傷がありますが大丈夫ですか?」 訓練のレベルが上がるにつれて難しなり怪我をすることがある。 でも、それは訓練の証ということでぼくは気にしなかった。 「はい、この前訓練でちょっと怪我をしまして。でも大丈夫です。それとこれが今回の訓練の成果です。」 訓練結果をメモした紙を渡した。 「よかったです。でも無理はなさらないでください。 今回はレベル6を5回ですね、今回もすごい成果ですね。やはり私たちが見込んだ人です。こんなに熱心に取り組んでいただいてありがとうございます。 今回の報奨金は全部で500万円です。こちらもいつも通り2か月後となります。」 すごい、さすが、そう言われるたびぼくはどこか恥ずかしくもあり嬉しかった。 「はい、レベル7に進もうと思います。あと、あとぼくはいつ国のためにこの力を使うことになりますか?」 スーツ姿の男は 「訓練をしっかり続けてもらえば近いうちに必ず…なので頑張ってください。期待しています。 レベル7は『車の横断が激しい道路に飛び出し車を止める』です。短い時間で動く人に対してコントロールをする訓練です。 報奨金は1回250万円です。」 ぼくは思ったより簡単だと思った。 今まで訓練で自信が付いてきている。それに一回成功するだけで今の年収と同じぐら稼げるではないか。 それに近いうちに実践に出れると思うと鼓動が速くなった。 「わかりました。ではまた結果をお伝えしに行きます。」といいぼくは部屋を後にした。 スーツ姿の男は「彼は次は来ますかね」と言った。 もう一人のスーツ姿の男は 「レベルも上がりましたし、難しいかもしれませんね。 でも、彼なら国のために命を懸けてくれますよ。 なんせ、彼は訓練をしっかり行ってますから。 …それにしても今回の国の政策は成果がよく出ますね。 国の財政がひっ迫するなか、医療費がかかりそうな人や、社会に貢献しないお荷物たちを自ら自殺に追い込むなんて。 自殺なら、保険金も出ないですし、われわれが殺す手間もお金も省けて楽ですが。 彼も本望でしょう。世の中のために力になりたいと言っていましたし。」 「そうですね、しかも急に不審な高度を取り出し頻繁に精神科に通ってるとなると、自殺を疑わないものもいないだろうしね。 ところで、ひとろで本当に彼には人をコントロールする力があるのでしょうか。」 「どうだろうね。今まで訓練を終えた人がいないけれど、もし訓練を終える人がいたらその人は何かしらの力があるかもしれないね」 コンコンっとドアのノックする音が聞こえた。
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