素質のある者

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スーツ姿の男はゆっくりと語りだしました。 「あなたには、人の行動を操れる素質があります。所謂超能力というものです。実感はないと思います。今のあなたにはその力は使えていませんから。 しかし訓練をつめばその能力を開花させることができると考えています。 あなたにはその訓練を積んでもらい、この国をより良い方向に導くお手伝いをしてほしいのです。」 ぼくは、突拍子のない説明に驚いた。からかわれているのだろうかとも思ったが、スーツ姿の男たちの表情は真に迫るものがあった。 そんな力が本当に存在するのだろうか。 「訓練っていわれても、ぼくは仕事があるので参加する時間もお金もありませんよ。」 スーツ姿の男は 「もちろん、今のあなたの生活を奪うようなことはしません。 訓練はあなたのペースでおこなえます。 難易度はレベル1から10まであり、一度訓練の課題に成功すれば自身のタイミングで次のレベルの訓練に参加できます。 訓練の参加には危険もありますが、課題を行い成功すればレベルに合わせ成功した回数にわせ報奨金が支払われます。 一度上げたら以前のレベルでの課題を成功してもその分の報奨金は出ません。 訓練の内容は対象の訓練参加時にお伝えします。」 報奨金という言葉に反応をした。ぼくは借金があり早く返すためにギャンブルをしてはまた借金を増やしてしまう、仕事以外での副収入がほしい。 「訓練って危険なんですか?それに担うぐらにの報奨金がもらえるんですか。」 スーツ姿の男は 「報奨金はレベルによって違いますが、レベル1は1回の成功に対し1000円ですが、レベル10は一千万です。」 一千万って相当危険な訓練なのではない、日ごろ運動もしていないぼくに耐えられるのだろうか。 考え込んでいる様子に気づいたのか、スーツ姿の男は 「もちろん訓練ですのでレベルが高ければ高いほど危険を伴いますが、順番に訓練すればあなたなら不可能ではないと思います。 この訓練はあなたの意志で行うものですので、もし途中で辞めたい辞めていただいてもかまいません。 レベル1の訓練に参加しますか?」 ぼくは一攫千金が狙えるし、危険だったら辞めてしまえばよいと思った。 「わかりました。参加します。」ぼくはそう答えた。
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