いつも通りの繰り返しの日のはずだった

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いつも通りの繰り返しの日のはずだった

今回の健康診断の結果は、相変わらず悪かった。 仕方がない、不景気の中、日々生きていくために働いている。 やっとのことで見つけたのが複合機のリースの営業である。 営業成績を上げれば給料はその分上がるが、こんな不景気な時代ではどの会社でも契約はしてくれやしない。 なのでいつまでたっても給料は上がらず生活は一向に良くならない。 唯一行くところといえば、パチンコ屋や競馬ぐらいだ。 健診結果の封筒の中には再検査の案内が入っていた。 指定された病院は家から少し距離もあり、仕事を休んでいかなければいけない。 理由があって仕事を休めるのでよかった。 眠気がでてきたのでラジオを流した。 ラジオからは、相変わらずいいニュースが流れない。 前年より自殺者が増えたことや、交通事故が多い、など気が滅入ることばかりだ。ぼくからすれば当たり前の結果である。 この国の経営は傾いている。 不景気なため、求人は少なく仕事につくのも大変だ。そのため生活保護の受給者が多い。 治安もわるくなり、生活のためなのか万引きが強盗なども増えてきた。 また歯止めの利かない環境破壊もあり、病気になり医療費も多くかかる。 お金のない国民は高額の治療費が払えない。それを今国が負担しているのでより経済を圧迫している。 自殺者も増えるのもうなずける。 この先の未来が明るいとは思えない。 今後の子供たちは仕事に就くために今までの世代よりももっと勉強し、足かせになっている国民を支えるために働き続けるのだ。 そう思うと、これから生まれてくる子供たちが可哀想でならなかった。 運転席から、手をつないで歩いている親子を横目でみながら自分の将来のことを棚に上げ子どもに同情をした。 そのとき、急に人が道に飛び出してきた。 ぼくは急ブレーキを踏み車を止めた。 危なく人を跳ねるところだった。飛び出してきた人を見直すとそれは中年の男だった。 片側二車線もある道路を男は何事もない顔をし歩いている。 すぐさま、となりのレーンの運転手が「死にてえのか!」と怒鳴り声をあげている。 中年の男は聞こえていない顔をし道の向かいにあるパチンコ屋に入っていった。 少し先の道には横断歩道があるのだが中年の男には関係ないのでろう。 あのような迷惑行為をする奴と絡んでもろくなことはないと思い、病院へ向かった。
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