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予想より遥かに細く儚く、瞬時に壊れてしまいそうな彼女の身体が、
星に紛れて流れて消えてしまわないように、強く、抱きしめた。
「星は、二人で作ればいいさ。今までの分も、これからも。
それが降ったって、落ちたって、きっと消えやしない。
僕らが二人でいるために、星は降ることを選んだんだ」
迷わず、彼女の唇に優しく口付けた。
その時に視界の端に映った透明な光を帯びた線が、
彼女の瞳からこぼれた水滴なんかじゃなく、
夜空に流れた流れ星だった事を願う。
そして再び、空を見上げた。
雲に隠れたままの星は、やはり見えそうにない。
それでも、僕らが浮かべた星は確かに宇宙を旅している。
それは、晴れた日の夜に浮かぶ星空よりも、流星群の夜よりも、
何倍も美しく輝きを放って、僕らの心にそっと刻み込まれた。
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