空白の時間 ~華澄side~

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「そう言って、この間もドタキャンしたよね?これで何度目?もう、信じらんない!」 わたしが何を言っても、怒っても、今のなっちゃんには全然響かない。 今は、完全にバイト馬鹿になっている、なっちゃん。 わたしの、大切な人。 「聞いてくれる?大学に入ってはじめての夏休みなのに、恋人がバイト三昧とか…。それで会えないとか、ドタキャンとか…本当意味分かんないんだけど!」 アルコールが入っていないのに、これだけ管を巻けるのだから、わたしは相当頭に来ているらしい。 「まぁまぁ…。今日くらいは飲んじゃえば?彼氏に気遣うことないよー。」 「そうだよ、華澄ちゃん…。」 大学に入って仲良くなった、友人、優衣(ゆい)と友佳(ともか)。 二人には、恋人の存在は伝えているが、同性だということは、まだ話していない。
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