空白の時間 ~華澄side~

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9月中旬。 突然、田川さんに交際を申し込まれた。 入学してすぐに声を掛けられてから、何かと話し掛けられたり、バイト先を度々訪問されたりはしていたけれど。 まさかこのタイミングで告白されるなんて…。 「今すぐ返事を貰おうとは思ってないから。じっくり、考えて欲しい。」 「いえ、でも…」 「じゃあ…。」 田川さんは、言い逃げみたいに走って行ってしまった。 アパートに帰り、ボーッと部屋を見回す。 当たり前だけれど、この部屋には、なっちゃんとの物が溢れていることに、今更ながら気付いた。 ずっと前にプレゼントしてもらった、オルゴール、二人のアルバムに始まって。 目覚まし時計、洋服、小物…。 そして、指輪。 アルバムを取り出し、めくってみた。 そこには、いつも笑顔の二人の姿…。 遠い日の二人の思い出が、たくさん詰まっていた。 「なっちゃん…。会いたいよ。」
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