0人が本棚に入れています
本棚に追加
窓に何か叩き付けられる音が繰り返していた。
雨はまだ止みそうもない。
風も強くなり、窓ガラスに雨が打ち付けられている。何度も、何度も。
風が吹くたびに響く騒音。
薄暗い部屋の中は少し暑く、少しジメジメしていた。
小型の扇風機の羽が回っている音が雨の音に混ざって聴こえた。
小さなテーブルの上に食事トレーが乗っている、ご飯と味噌汁、焼いた肉と小さなおかずの小鉢があった。私はご飯を口まで運ぶと一口食べた。昨日までは一口も食べる気はしなかったが、やはり空腹感には抗えなかった。
ふと、手元が目に入った。手首の周りだけ赤い痣が出来ている。
この手錠のせいかあ…
足首にも同じ痣が見えた。
男が鋭い目で私を見ている。薄暗い部屋だ
今にも襲いかかって来そうな目。
あの時と同じだ。
何度、何度繰り返したら終わるのだろうか?
この雨と同じで終わりはないだろうか?
その時だった、男は突然立ち上がり、私の上に倒れて来た。
最初のコメントを投稿しよう!