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「お前が生まれた時、祝福の甘茶の雨が、世界中に降り注いだんだよ。」
「パパの嘘つき。それはお釈迦様が生まれた時の話でしょう?」
「本当だよ。
それからも、お前が生きている限り、
お父さんの心の中にも、お母さんの心の中にも、
甘茶の雨がずっと降り続いているんだよ。
だから、これからはもっと、
自分の体をたい、たいせつに、し、して、してください。
どうかよろしくお願いしますっ」
傷がふさがってから、パパがそんな話をしてくれた。
いつも冷静なパパの気を惹きたくて、
3日前、台所で手首をちょっと切ってみせたの。
あんなに取り乱すなんて、思わなかった。
びっくりしたぁ。
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