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「どうして……私を……? 高井一尉は選んでくれたの?」
そう疑問を抱きながらも、私は高井一尉の僚機に選ばれた事を素直に喜んでいた。
高井一尉を空戦で倒せるパイロットはもう小松には誰も居ない。つまり彼は小松基地のトップガンだ。その上、彼は身長百九十センチの長身で甘いマスクを持ち、その容姿も私の完全なストライクゾーンだった。
だから私は密かに高井一尉に憧れていた……。
彼とは何回かシミュレーターでの空戦をしたことがある。本当に一度だけ彼の背後に肉薄したけど、私は全く彼の相手にはならなかった。
そんな私を高井一尉はどうして選んだのか? やはり大きな疑問だった。
私は僚機間の光通信回線を開いて、高井一尉に声を掛けた。
「高井一尉、シャイン。質問しても良いですか?」
直ぐに彼の声が無線に帰って来る。
「どうした? マノン?」
「一尉はどうして私を僚機に選んだんですか?」
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