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レイ
急に雨が降りたした。
私には涙を隠せる幸運の雨った。
すると
目の前に突然人が現れて
「樹璃亜の笑ってる顔が好きだよ」
とキスをされた。
懐かしい匂いと感覚がした。
「樹璃亜、僕だよ。レイだょ」
「レイ?」
「子供の頃から、ずっと一緒にいただろ」
「えっ!! レイ?って…」
「そうだよ。樹璃亜、久しぶりだね。
せっかく会えたんだから笑顔を見せてよ」
それは幼い頃から家で飼っていた
ゴールデンレトリーバーのレイだった。
レイは一年前に亡くなった。
こんな雨の日だったかな。
とても悲しくて悲しくて…
その悲しさのせいか、一週間も雨が降り続けていた。
私はレイ抱きついて
懐かしい匂いに包まれながら思い切り泣いた。
いつの間にか泣き疲れ、目が醒めるとベッド中にいた。
あれ? 夢?
いつの間に帰ってきたのだろ!?
不思議な夢だったなぁ〜と窓を開けると
眩しい日差しがさしこんだ。
私はレイの写真にキスをした。
それから三週間位たった頃
会社から帰ろうとしたら雨が降ってきた。
【あ〜傘忘れた。】
と思っていたら
「はい」
と傘をさしだしてくれた。
見るとレイだった。
「樹璃亜、一緒に帰ろう」
と言って人懐こい顔をする。
私はえっ!! また夢??
びっくりした顔すると
「雨降りは特別なんだよ」
とレイが言う。
それからは雨が降るとレイがやってくる。
私は雨が嫌いだったのに
ずっと雨だったらいいのに…
止まなければいいのに…
そう思った。
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