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想われニキビの行く末
「うわっ、またできてる……」
朝、顔を洗って鏡を見た瞬間、私は思わず低い声を上げた。
ただでさえ荒れ気味の肌の上で、やたらと存在を主張する、巨大なヤツを見つけてしまったから。しかも、よりによってあごのど真ん中に。
「あ~もう最悪……」
おでこなら前髪でなんとかなるけど、こんな場所はごまかしようがない。
いっそ指で潰しちゃおうかな、なんて思ったけど、痕が残ったらそれはそれで嫌だし。
しかたない。今日はマスクをしていこう。
私はもともと敏感肌で、高校生になってからは特に気を使って、朝晩とクリームで隅々まで洗顔しているのに、効果はイマイチ。努力が報われないと、やる気もなくなる。
いったい、どうすればいいんだろう……
私は洗面台の前でうなだれて、肩くらいまである黒髪を掻きむしると、重々しいため息をついた。
「おっはよー、心っ! ってあれ?」
校門前で私を見つけて人懐こく話しかけてきた朋香は、不思議そうに目を丸くした。
キャラメル色のショートカットが印象的な彼女は、高校に入って最初にできた友だちだ。
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