傘とパフェ

14/16
前へ
/16ページ
次へ
「つまり、俺がおでこが広すぎても、カッコ悪くてもいいってこと?」 「うん。でも、おでこもカッコ悪いとこもわたしにだけ見せてほしいの」  間違ったことは言っていない。いつも余裕のあるかっこいい純ちゃんに憧れていたけれど、ちょっとカッコ悪くてかわいい純ちゃんのことも大好きで、できるならそれはわたしだけのものにしたい。 「俺がカッコ悪くなるのは、玲ちゃんの前だけだから、大丈夫。俺からもお願いがあるんだけど」  純ちゃんが小さく息を吸って吐くのに合わせて、わたしも同じように一呼吸する。 「俺以外の男の前で悲しそうな顔しないで。俺の前でもできれば笑っててほしいけど、そうじゃないときもあってもいい。……俺の言いたいことわかる?」 「悲しいときは純ちゃんにおでこ見せてもらえばいいんだよね?」  わたしが純ちゃんを独り占めしたいみたいに、純ちゃんもわたしのことそう思ってくれてるってことだよね。もう、そんなの嬉しすぎるよ。
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

71人が本棚に入れています
本棚に追加