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「それと『純ちゃん』はちょっとやだ。『純』って呼んで」
特別な間柄にならないとその呼び方はしちゃいけない気がしていて、それを許されたことがすごく嬉しかった。大切にその名前を呼ぶ。
「……純」
純は優しく微笑んで、わたしに手を伸ばしてきた。手のひらをそっと重ね合わせる。
「玲は俺の特別な女の子だよ。すごく好きなんだ。本当に」
改めて言葉にしてもらえて、盛大な勘違いではなくてよかったと心から思う。早とちりと勘違いはわたしの悪い癖で、だからこそちゃんとした言葉がほしい。
「純もわたしの特別だよ。みんなに優しいのが純のいいところだから、今まで通りでいいけど……やっぱりわたしのこと特別扱いして」
「玲ちゃんかわいすぎない? するよ、特別扱い。しまくる」
しまくるって。本当かな。期待しちゃうな。
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