傘とパフェ

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 パフェを綺麗に完食し、会計を済ませて店の外に出た。雨はまだ降っていて、純がゆっくりと傘を開く。片側を空けてくれていて、わたしはそのスペースに滑り込んだ。 「純、また来ようね」 「雨だったらね」 「梅雨だから毎日雨だよ」 「うん、知ってる」  ふたりで入る傘はやっぱり楽しい。ぱたぱた、とたとた。濡れたアスファルトに紫陽花が映り込んで、いつもより世界はカラフルに見える。 「玲ちゃん、濡れちゃうからもっとこっちおいで」  頭上から優しい声が降ってくる。見上げた先には大好きな純の笑顔。純の腕にしがみついて、幸せだなぁと思っていると、純がわたしにキスをした。桃の香りがした。  きっと雨じゃなくたって純はわたしのそばにいてくれる。でも、もう少し純のこと独占したいから、まだやまなくていいよ、雨。 おしまい
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