みずのかみさま

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みずのかみさま  夜からの雨が朝になっても弱まることなく降り続けている。  雨粒が落ちては弾ける地面の上を足袋で歩くひとがいる。すっすっと滑るように歩きながら、そのひとはきょろきょろしていた。  水たまりを見つけると袖から出した種のようなものをぱらぱら蒔いていく。  そして道を突き当たり右に曲がると、いかめしい古い門構えが現れる。  そのひとはためらわず、門の中に入っていった。  
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