みずのかみさま

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勝手知ったる様子で長い廊下を抜けると、奥の部屋の前でぴたり足をとめる。  障子に映った影を見て、部屋の中にいた子供は文机から顔をあげた。 「来ちゃいました」  声がかけられる。 「入ればよい」  障子が開くと、白い装束がかすかに発光している薄青い髪のひとが立っていた。 「……この間からたいして日が空いていないぞ。……暇だな、お前は」  呆れたように言われてもそのひとは嬉しそうにうなずくばかりだ。 「雨が降ったら来れますからね。地面に水が広がって道になるんです。わたしは水の上しか歩いてこられませんから」 「今日は何の用だ?」 「ともに遊びませんか?」  嬉しそうに問われては断れない。  子供は渋々腰を上げた。  
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