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日の光が眩しくて目を覚ました。里佳子の膝の上に頭を乗せて寝ていたようだった。長い時間砂利の上にいたからか、腰や太ももがひどく痛む。頭を上げて、遠くに光る太陽に目をやった。朦朧とする頭を無理に働かせなくても分かった。生きてしまった。そういえば、曇っている夜は気温があまり下がらないものだと聞いたことがある。
「里佳子ちゃん」
無防備に寝転んでいる里佳子にそっと声をかけたが、返事はなかった。
「里佳子ちゃん」
返事はなかった。
「里佳子ちゃん、里佳子ちゃん、里佳子ちゃん」
100回くらい呼びかけても里佳子は返事を返さなかった。
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