雨の日の

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「里佳子ちゃんって雨が似合うよね」  半袖のシャツにかかった水滴を払いながら水樹が言う。 「そうかな」  水たまりを避けずに歩く里佳子が答える。「雨って綺麗だもの。里佳子ちゃんも綺麗」と水樹が言うと、「じゃあ、今度から、雨降りの日にしか会わないことにしようか」と里佳子が耳元で囁く。 「いやだ意地悪」  二人は笑い合い、歩き続ける。雨音はいつまでも、二人を隠すように包み込む。
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