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「私、パフェ食べてい~い?」
「純玲ちゃん全然課題する気ないじゃん」
「ドリンクバーみんな頼むよね?」
「俺腹減ったから、ポテト頼むわ」
「油のついた手で私のノート触らないでよ!?」
結局ファミレスに来たのは壮志郎、冬弥、純玲を含めて8名にのぼった。
勉強と言うよりも、パーティーだ。
壮志郎はアイスコーヒーをストローで吸いながら、自分でとったノートをめくった。
その中に、蛍光ペンでひいた線がのびて明後日の方にむかっているページがある。
(ああ、この前の……)
壮志郎の部屋からは朱莉の部屋の窓が見える。
ここのところ電気がついているところを見ていない。
その日は、朱莉が帰ってくるまで起きていようと思って勉強するふりをしながら待っていたのだ。
何度も舟をこいで、勉強のポーズのために持っていた蛍光ペンの線が泳いでいたころ、朱莉の部屋の電気がついた。
時計の針は12時を回っていた。
壮志郎たちがファミレスではしゃいでいる今も、朱莉は汗水たらして働いているのだろう。
そんなことをぼんやりと考えながら、ふと窓の外に目をやった。
すると、スーツのジャケットを着て、真っ黒な髪をひとつに縛った朱莉の姿が目に入った。
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