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『ほら、この作品も構図が一緒』
『今までずっと他人の作品をパクってきたのか?』
根も葉もない噂は尾ひれをつけて広がっていく。
もちろん俺は、そんな誹謗中傷に反論した。
無視よりも事実を伝えるべきだと。
自分は無実だという呼びかけの動画を投稿し、
ネットにも実際にあった出来事の書き込みを続けた。
それよって何かが変わるはずだと信じて。
…だが今や、誰も俺の話を聞かなくなっていた。
俺の悪評が一人歩きしていき、
誰一人として仕事をよこさなくなった。
前に受けた仕事もキャンセルされ、
今や俺の収入は…ゼロ。
…疲れ切った俺は、
書き込み途中のパソコンの画面を見つめる。
その記事には、俺がかつてキャラクターデザインを手がけた、
遊園地の現在の様子が掲載されいた。
ジェットコースターの側面で、
白く塗りつぶされたキャラクター。
観覧車の真ん中で白く塗りつぶされた猿のイラスト。
メリーゴーランドで撤去される、
俺の作ったキャラクターの乗り物…
何がいけなかったのか、
どうしてこんなことになってしまったのか。
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