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そんな難攻不落な鉄壁を落とそうと王城の99%の独身女性は毎日必死だ。
残り1%は、その難航不落の鉄壁は落とさず横にずれるのみ。因みにその1%とは、私である。
私からしたら国に忠義、上司に忠実。真面目を固めたような面白みも何もないガチガチ男という評価。
よって皆が言っている別名は、私の中でこう変換される。
忠犬ハチ公ならぬ・・・
――――忠犬ガチ公と。
あぁ、そう言えばこんな奴でも欠点が一つあったな。
こいつは、男爵の三男坊。
只今世界は平和で、有りがたい事に此処何十年と戦争がない。
武功をあげて爵位をあげるというお手柄~♪お手柄~♪がないため、こいつはいい腕を持ちながら、うだつの上がらない男爵という平坦な道を歩いている。
そう考えると、可哀そうに見えて来たな。泣いてもいいだろうか。
「・・・ぉぃ、・・・ぃて・・・ぉい、おいっ!聞いているのか!!」
人が同情して泣いてやろうとしてたら、怒られた。
『すみません、すみません。思考が明後日に行って聞いてませんでした~』
私がそう言うと、眉間にペンがはさめそうなぐらい深い皺をよせてこう言われる。
「………ほぅ、明後日に行っていたのなら合同演習当日だな。合同演習は成功していたか?成功していたなら、その段取りで書類を作成して持って来てくれ」
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