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嫌味を言って出て行ったガチ公を見ながら、今度は私の眉間に深い皺が寄った。
明後日に合同演習があるのを忘れていたのは確かに私が悪かった。
だが、私も忙しいのだ。
私の出自は平民だ。貴族ばかりの魔術省では珍らしい。
そして自分で言うのも何だが、私は女の身で魔術省随一と言われるぐらいのホープ。
よって、そういう私をやっかむ人間は少なくない。毎日、虐めのように仕事を押し付けられている。
私の生い立ちをざっと説明するとこんな感じだ。
生まれた時に測った魔力量が半端なかった為、物心ついたと同時に特待生で年少の魔術学校に入学。しかも、飛び級であっという間に大学まで行って卒業した。
これはその卒業した学校の先生談の一例だ。
「あの子にもう教える事はない。今後私が教えを乞うだろう」
素晴らしい先生のコメントである。
私メリッサ・コンティ23歳。独身。女の結婚は20歳まで。よって行き遅れである。
だが女は捨てたが、魔術省での出世は捨てていない。爵位と言う後ろ盾がないため、只今馬車馬のように働いて上り詰めてる最中だ。
今開発してる魔術の術式が成功すれば、先輩からのやっかみを受ける事もなく、逆にこき使える立場になるだろう。
『………ハァ~、先に合同演習の魔術展開の手順をぱぱっと作成するか、、、。今日中にガチ公の机に置いておけば、文句も言われないだろうし』
そう言って書類作成に取り掛かったメリッサだった。
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