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すぐに俺をタオルでぐるぐる巻きにして、自分も着の身着のままで外に出た馬車馬女。
そして脱兎の如く走った。
頭がまだ座ってない俺は、ぐるぐる巻きのタオルの中でこんな感じで揺れていた。
(゜Д゜;)━( ゜Д)━( ゜)━( )━(゜; )━(Д゜; )━(゜Д゜;)
***
目的地に着いたのか、あるアパートの扉を深夜もお構いなしにドンドンと叩く馬車馬女。
暫くすると、消えていた灯りがついてドア越しに不機嫌な男の声が聞こえた。
「深夜だぞ!誰だよ!?」
『私!私!メリッサっ!!』
「は?・・・えっ、メリッサ!?」
ガチャガチャと鍵が開く音が聞こえ、ドアが開く。
遅い開き方に待っていられなかった女が、ぐいっと押す感じで中に入った。
「わっ、わっ、わっ、押すな、押すな、、」
『これ、これ、ヘストンなの!』
「おぉ。赤ちゃんの名前が分かったのか・・・そりゃ良かった。ファァ~」
大きな欠伸をする男…マイルズに、今度はフルネームで言い直す女。
『違う!ハチェット・へストンなの!』
「・・・・・・・わっはははは」
冗談だと思って一拍置いて笑ったマイルズ。
そんなマイルズに俺を投げつけた。
「おいっ!赤ちゃんに何て事すんだよ!あっぶねぇな、、、大丈夫だったか?お前の母ちゃん代理はひでぇ事するよなぁ?」
俺がヘストンと分かった途端の扱いは確かに酷い。
マイルズの腕の中で、文句を言おうとしたら泣かれた。
『わぁ~ん、私は全部見られたんだってば、、、』
そうだった、、、。
馬車馬女も一応女だ。男以上に恥ずかしい、、、。
その恥を見た加害者としては、すまんと言う感じでしょんぼりするしかない。
見かねたマイルズが訳を話せと中に入れてくれた。
そして説明を開始した馬車馬女の話は、ショックな場所から始まった。
こいつはあの時全てを見てたのだ。
知ってて、あの所業。
「・・・。」
壁の弁償は半分こいつに絶対持たせてやると、心に誓った俺。
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