閑話①(暫定)親子になった犬と馬。

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閑話①(暫定)親子になった犬と馬。

ヘストン副団長の上司であるワイラー騎士団長と、魔術省のトップであるオズボーン長官2人が昨日夜半からメリッサを説得してもう昼を過ぎだ。 分はメリッサにあるため説得は難航している。   『何度言われても嫌です!私には損しかありません』 「頼めるのが貴殿しかいないのだ。どうか、どうか頼む!」 『他を当って下さい!』 「メリッサ・コンティ……ワイラー殿も此処まで言っているのだ。暫くでいいんだ」 『暫くっていうあやふやな言葉ほど、実害のある人間にとって長いって知ってます?そこは、一両日中って言葉に変えて下さい。それなら、引き受けましょう!!』 弁がたつ女とは厄介だ。 そして、上役にでも堂々と否と言える性格も厄介だ、、、。 そう思いながら、目の前のやり取りを見てる第三者のマイルズである。 事の子細が丸半日以上かけて漸く分かった。 何故半日以上かって? 事情を聴く相手が赤ちゃんだったからだ。 赤ちゃんは、言葉が話せない。 質問に対して全て「バブゥ」だの「ブゥブゥ~」だ。バ行しか言わない。 小さい弟の時もそんなもんだったかなと頭を傾げてしまうほどだ。 仕方なく、〇と×を書いた紙と子供に字を覚えさすABC積み木を用意した。 傍から見たら、赤ちゃんと一緒に遊ぶ大人4人の図だ。 自分を含め、誰一人としてそういう図が似合ってないのが残念ではある。 まず聞いたのが、"私達の言葉を理解しているか"だ。 当たり前だというように、〇のカードをバンバンと叩く気が短い赤ちゃん。 そして次に、自分の名前を名乗らせた。 "ハチェット・ヘストン"と、沢山ある積み木を使って答えた。
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