閑話①(暫定)親子になった犬と馬。

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騎士団の詰め所から取り寄せた報告書にも、男の服や下着が現場付近で脱ぎ捨ててあったと書かれていた。他に、ポケットには財布とハンカチ。 確認の為、これを書いた騎士を呼ぶと、副団長が言ったような珍しい柄の刺繍ではなく、無地の家紋も何も入ってない白いハンカチだったと報告を受けた。 多分、術式が発動してハンカチが白いただの無地になったという事だろう。 今度はマリアンヌ嬢に公爵同席の元で事情を聴く。 最初は知らぬ存ぜぬとしらを切っていたが、別室でマリアンヌの侍女や護衛に聴取をした結果、裏界隈で怪しい魔術師と会っていたという証言が取れたことで、父公爵の叱責もあり泣きながら自分がやったと認めた。 こんな大事をした理由は、振られた仕返しだった。その仕返しの内容が"ハチェット・ヘストンを赤ちゃんにして"だ。 17歳にしては何て幼稚な仕返しだろうか。 すぐに、オズボーン長官がその呪いの解術を試みた。 すると厄介な事が判明。 二重の呪いがかけられていたからだ。 術の紐解きの順番を間違えると、術式を解いてた奴にその呪いが乗り移るというもの。 ヘストン副団長は呪いから解放されるが、術式を解除しようとした魔術師は呪いが自分に乗り移り・・・赤ちゃんとなる。何ともループな呪いだ。 仕方なくマリアンヌ嬢に何処の呪い屋に頼んだかを今聴取しているところである。
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