〖その4-おもて〗犬の主導権を持った馬。

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仕方なく特権は貰い受けた。最悪、贄に使えるかもしれないからだ。 そんな騎士()の出番は今の所ない。今必要なのは、知識の宝庫図書室である。 『さてと、私は王城の図書室で本を借りて来るから。あそこに入れないガチ公は、此処で待っててくれる?』 ガチ公にそう言うとキョトンとした顔をした。 その顔は"何で?"だ。 『図書室の禁止事項は何?"本を汚さず、室内は静かに"でしょ。その2つを犯す赤ちゃん(あんた)は入室は無理。分かった?』 ガチ公が手間が掛からない赤ちゃんだと私が司書に言っても、その理由を言わない限り通用はしない。 ガチ公もそれが分かって「バブ」と納得した。 『すぐ戻って来るから、此処に座って待っててね。おっと、念の為にっと……』 ガチ公をそこに残して、私達は王城の図書室に向かったのだった。 ※。.:*:・'°☆※。.:*:・ 『お待たせ~。ん?ガチ公、眉間に皺を寄せてどうしたの???』 マイルズと私が図書室から戻って来たら、ガチ公が眉間に皺を寄せて「ブゥ!ブゥ!ブゥ」と言いながら足をバタバタさせていた。 傍から見たらぐずってるようにしか見えないだろうが、つかない足をバタバタさせて地団駄を踏んで確実に怒ってた。 何かされたかと思い、ガチ公に掛けた結界の術式を見る。 私達の居ない間に先輩達に何かされても困るので、念のため掛けて置いたものだ。 『(発動した形跡はないな……。という事は、何か悪口を言われたか、、、)』
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