〖その4-おもて〗犬の主導権を持った馬。

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*** 解術の報告の為、その足でオズボーン長官の所に行くと、ちょうど会議に出たらしく補佐の人に火急でないのなら1時間後に出直して欲しいと言われる。 仕方なく中庭で時間を潰す事にした私達。 『昨日、私は色々考えました。どうせ私がガチ公を育てるんなら、その堅過ぎる性格を(ほぐ)しながらいこうと思います!はい、拍手~~』 (ほぐ)される当人(ガチ公)と補佐のマイルズが、石のベンチに座ってポカーンとした。 今更だが、昨日このガチ公という呼び方で揉めた。 王族が関わった今回のスキャンダル。 王城の人間に、この赤ちゃんがハチェット・ヘストンとバレてはいけない。 呼び名一つでもそういうバレるリスクはある。で、私の心の呼び名を口に出した。 言った途端、唇を突き出してさっきのように「ブゥゥゥゥーーーーっ!!」とブーイングのような声を出した可愛げのないガチ公。 その反抗を素直に受け取った私。 『分かりました。じゃ、別の呼び方にしましょう』 「バブっ!」 良し!ってな感じでいい返事をもらう。 だが、私は素直ではあったが大人げなかった。 『じゃ、副団長が何て呼んで欲しいか言って下さい』
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