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数時間後―――
『くぅ~~!どの位置に魔術師達を配置してもバラバラだと意味がない~~』
頭を抱えながら、芝生の上でバタバタした。
気分を変えようと来た中庭だったが、発想の転嫁にも何もならなかったようだ。
『・・・。(余計に固まってしまった、、、。)』
私のそんな苦悩も知らずに、寝転がった横の植え込みで黙々と蜘蛛が巣を作っていた。
上へ下へ、そして右から左。最初は心もとないそんな軸糸に、綺麗な多角形を描いていく蜘蛛。
『・・・。』
徐に軸糸の何本かを下に落ちてた枝で切ってみる。
巣として原型を保ってた。
「あぁっ!、それが、あったかぁぁーーー!!」
すぐに自分の席に戻って再提出の書類を作成する。
マイルズが何か言いたそうに見ているが、説明してる暇はない。
私は、ぱぱっと書き上げて、騎士団の事務所に向かった。
そしてそれは、近道の鍛錬場を通り抜けようとした所で起きた。
「たかが、男爵風情が何様よ!!」
ヒステリックな女の声の後に、何処かで聞いた声が続く。
「嫌われついでに申し上げます。身分で人を判断される所がお断りした理由です」
冷静かつ真面目に火に油を注ぐようなセリフを吐いた男。
私は、脳内であちゃ~と呟く。
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