〖その1-おもて〗犬猿の仲の犬と馬。

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語尾が驚きの為、変になった。 向こうも私が此処にいると思ってなかったらしく、慌てたように左に向いてこう言った。 「っ、・・・すまない、そこに置いてくれ。後で見る」 ジ~と奴を見ると眉間に皺がどんどん増えた。 ニヤニヤと笑いながら、意地悪く聞く。原因は知ってるのに。 『どうしたんです、その顔~?』 隠すように左を向いた頬が隠しようのないほど、真っ赤に腫れていた。 あの扇子、鉄でも入ってたのか?!しかも、扇子の飾りで引っ掻いたのか、血がうっすらと出てた。 眉間に皺を寄せ私を睨む奴から、負のオーラが漏れ出す。 途端、室内の空気が重たくなった。 またまたニヤニヤと笑って、意地悪く聞き直す。 『血も出てますね~。それ、訓練で斬れたんですかぁ?』 「・・・・・・・・・・・あぁ、」 『それは凄い!国一番の騎士様にそんな傷をつける人も居るんですね~』 「・・・。」 歯切れの悪い返答とは逆に間髪入れずの返しをするな私。
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