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語尾が驚きの為、変になった。
向こうも私が此処にいると思ってなかったらしく、慌てたように左に向いてこう言った。
「っ、・・・すまない、そこに置いてくれ。後で見る」
ジ~と奴を見ると眉間に皺がどんどん増えた。
ニヤニヤと笑いながら、意地悪く聞く。原因は知ってるのに。
『どうしたんです、その顔~?』
隠すように左を向いた頬が隠しようのないほど、真っ赤に腫れていた。
あの扇子、鉄でも入ってたのか?!しかも、扇子の飾りで引っ掻いたのか、血がうっすらと出てた。
眉間に皺を寄せ私を睨む奴から、負のオーラが漏れ出す。
途端、室内の空気が重たくなった。
またまたニヤニヤと笑って、意地悪く聞き直す。
『血も出てますね~。それ、訓練で斬れたんですかぁ?』
「・・・・・・・・・・・あぁ、」
『それは凄い!国一番の騎士様にそんな傷をつける人も居るんですね~』
「・・・。」
歯切れの悪い返答とは逆に間髪入れずの返しをするいけずぅな私。
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