チート、なのか?

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「それを王妃様がやったのか。へぇ、王妃様って面白い奴だったんだな」 「王妃様に『奴』って無礼極まりないぞ、カル」 「あ、ごめん」 「ツェルドくんのお母さんは、勝ったんだね。すごいね!」 「当たり前でしょ。その領地は親父が相続したらしいから、行こうと思えば行けるけど」 「なら、生徒会の卒業旅行の目的地の候補に入れておこう。ロデエス地方を」 「本当ですか⁉︎」 「ああ」 「楽しそうね!どうしたの?」  ナミさんが食堂から出てくる。 「姉さんには関係ないだろう?」 「何よ、レネア!いいじゃない!楽しそうなんだもん。気になるでしょ!」 「なんでそう姉さんはいろんなことに首を突っ込もうとするんだ」 「あら、あなた。前にルイくんと一緒にいた子ね!」 「あ、はい!」  ティルが元気に答える。 「こんにちは!私はナミヌ・リアート。『ナミさん』って呼んでね!レネアの姉よ!」 「私はクティルヴィア・ジョーノーヴです。ティルって呼んでください!レネアさんにはお世話になってます」  こう見ると、ナミさんとティルって似てるんだよね。  元気で素直なオーラ。ポニーテール。表情や服装、仕草から快活さが伝わってくるこの感じ。  本当、似てる。 「いい子ね、ティルは」 「ありがとうございます!」 「ゆっくりしていってね」 「はい!」  ナミさんがまた食堂に戻っていく。 「―ゲームしねぇ?」  カルさんが言う。 「ゲーム?お前、そんな物を学園に持っていっていたのか?」 「ちげぇよ。アパートにあるだろ?ゲーム」 「ああ。レーシングゲームのことか?」  レーシングゲームなんてあったんだ。 「皆でしねぇ?」 「俺はいいが。……皆はどうだ?」 「「「もちろん!します!」」」 「リクはどうする?」  カルさんがリクの顔を覗き込む。  カルさんとリクって仲良いのかな? 「俺もする」 「オッケー!準備しよう!」
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