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えーっと、鍵、鍵。
ガチャリ。
「ただいま〜」
やっと、鍵を持たせてもらったよ。
僕は小学生か!
アイツこそ、小学生にもなってないのに。
アイツ、5歳だぞ!5歳!
僕は中2!
「リク!」
「あ?なんだよ」
借りている304号室の中にある、部屋の扉から出てくるのは、5歳の男の子。
何故こんなに口が悪いのか……。
「そんなに嫌そうにしなくてもいいだろう?」
「嫌なんだからしょうがないだろう」
コイツ、本当嫌なヤツ。
「ルイ。早くしない?カルさんとか、ティルとか来ちゃうし。お菓子が食べたいんだけど」
そうだった。
今日のお菓子は、ツェルドくんの好きなお菓子のはず。たまたま、皆が集まる日に、ツェルドくんの好きなお菓子になったわけだけど。
今日のお菓子は「ブッセ」。
ツェルドくんの好きな飲み物は「サイダー」みたいなものなんだけど。
合わないよね?
「ブッセ」と「サイダー」。組み合わせが悪いと思うんだけど。
「何?組み合わせ、悪いとか思ってんの?ルイは、バカなの?……一緒に食べるわけないじゃん」
あ、そう……。
やっぱり。
「と、とりあえず着替えようか」
「そうしよ、そうしよ」
こんなに、庶民と同じ生活に馴染む王子がいるのだろうか……。
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