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「やっほー」
今日のティルの私服は、白のTシャツに茶色のサロペット。
動きやすそう。
「あ、また最後かぁ、私。当たり前かな?」
公共スペースのソファに座ってるカルさんをティルが見る。
「何してるの?」
「あ?ティルか」
んなっ⁉︎
カルさんがリクの頬を引っ張ってる⁉︎
ブニィー、ブニィー。
あははは!
妙に大人っぽいくせに、こういう引っ張られてる時の顔はちゃんと5歳だ!
「……ルイ、後でボコボコにしてやる」
「怖い……」
怖すぎだって!
「カルル、何してんのよ!……あ、この子がウワサの5歳のリクくんか。私は、クティルヴィア・ジョーノーヴ。ティルって呼んでね。リクくんの話は、ルイくんから聞いてるよー」
「こんにちは」
「わぁー、イケメンだねー」
「レネアー!」
「何?姉さん」
「ブッセ、持っていって!」
「あ、レネアのお姉さん。オレも手伝います」
カルさんが立ち上がる。
「いいの?なら、カルくん、ブッセ持っていってくれない?レネアは飲み物ね」
「「オッケー」」
レネアさんとカルさんがそれぞれ手に持って登場。
おおー。
ブッセ、美味しそう。
さすが、マイセさん。
パティシエのマイセさんが作るお菓子ほど美味しいものはないよ。
このアパートの食べ物は本当最高!
『いただきまーす』
……美味しいっ!
フワッフワで優しい甘み。
中に入ったクリームがこれまた美味しい!
生地は少し香ばしい。
美味しいなあ。
ツェルドくんの頬が緩んでいる。
ツェルドくん、顔が少し女の子っぽいし、かわいく見えるなぁ。
かわいい。
ゆるゆるだ。
この中で1番、女装が似合うのはツェルドくんだろうな。1回見てみたい。
このジュースはなんだろう。
アジュンソーダ?
「ルイ、入れるぞ」
「あ、お願いします」
シュワワワぁ。
炭酸がパチパチ弾ける。
微炭酸かな?これ。
この味、僕、知ってる。
えーっと、何だったっけな。
……りんごだ。
りんごソーダだ。このジュース。
でも、正確にはりんごじゃないかも。
このアジュンっていう果物は甘酸っぱい。
どっちも美味しいかも。
「―授業、どうだった?」
「退屈だった」
「カルルには聞いてないよー」
「面白かった」
「そうなの?」
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