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「……え、お、出た」
「……ホントに?」
彼女がガタッと椅子から勢いよく立ち上がり、スマホを覗き込もうとして俺の頭と衝突事故を起こす。
「いてて……。ごめん、勢いあまってさ、あはは……」
衝突した額を抑えながら、彼女は誤魔化すように笑った。
「こっちこそ悪い。それでどうだ、俺の見間違いとかじゃ……」
「――あちゃー、ボイス無しか……。まあ、でも約束しちゃったしな……」
そう小声で呟き、彼女は覚悟を決めたように頷き。
最高の笑顔を俺の方へと向けた。
「――君はどんなことを願う? 何か一つだけ何でも言うことを聞いてあげるよ」
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