0人が本棚に入れています
本棚に追加
「あ、そうそう。ジュエルの分だけ十連ガチャ引いてよ」
「はあ? なんで俺がそんなことを……。自分でやればいいだろ?」
「なんかさー、自分で引くといっつも爆死しちゃうんだよね……。しかもめちゃくちゃ欲しいキャラクターが限定ガチャで登場する時に限ってさー」
「だから、俺に引けっていうのか?」
チラリと画面を見ればジュエルの数は一万個ちょい。
十連一回で二千五百個ジュエルを消費するらしいので、四回十連を引くことが出来るようだ。
「そうそう、こうして一緒に補習受けているのも何かの縁だし、ね? お願い」
ウインクをしながら彼女は頼んでくる。
「じゃあ、『SSSれあ』が出たら何でも一つ言うことを聞いてあげる」
「何でもって言われてもな……」
そんなことを言われても弱る。
健全な男子高校生であれば、卑猥な方へと変な想像を働かせ、そういう下系なお願いをしようと躍起になるのだろう(偏見)。
けれど、俺はそんな単純な男ではない。
た、確かにそういうことに興味がないと言えば嘘になるが、さすがに常識くらい弁えているつもりだ。
最初のコメントを投稿しよう!