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よる(その4)
今思えば その「クレヨン」に
はじめて出会ったときから みいられて
いたような気がする。
そして 名前だけ決めて 喜んでいた
ボクは その「クレヨン」と 別れて
しまうことになるなんて 思いも
よらなかったのである。
そんな 5年前のボクは 喜びと
悲しみを いっぺんに味わうことに
なってしまった。
そう その子猫を拾った場所まで
エサを買いに 行こうとして
ある少女と 出会ったのが その
「クレヨン」と 別れるきっかけに
なってしまったはずだった。
名も知らぬその少女が 「クレヨン」を
拾ったところで 涙目になりながら
そのところを 必死で探して
どうしたのだろうと ボクは思ったので
その少女に 声をかけたのだった。
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