よる(その5)

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よる(その5)

      そう その少女に  「どうしたの?」 と 声をかけた その瞬間から ボクと「クレヨン」の 別れが 決まったようなものだった。 でも 仕方ない。 そういう 運命だったんだ。 「クレヨン」の幸せを 考えると 5年前の ボクの行動は 良かったことかもしれない。 そう 今のボクが 思っているから それで良かったんだ。 その少女に 出会って 「どうしたの?」 と 声をかけ その少女は 本当に 悲しんでいたことが 良くわかった。 「クレヨン」が 捨てられたのは その少女の 父親のせいであって その少女の 本意ではないことが 良く伝わって来たのだった。 だからボクは 捨てられていた 「クレヨン」を 拾って 保護していることを 少女に包み隠さずに 話したのだった。
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