よる(その6)

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よる(その6)

 その少女に 「クレヨン」 のことを 保護していることを 伝えたら その少女が お礼の言葉を言ってくれた。  しかし そのお礼のあとの言葉で ボクはがく然としてしまった。  その言葉は 「もちろんすぐに返してくれるのですね?  わたしの大切な 猫なんだ」 そうその少女に 言われて本当に がく然としてしまった ボクだったはず。 ボクとしては 本当は返したくない 名前まで 「クレヨン」 と 付けたのにと 思ってしまっていたのだった。  しかし 自分自身の 良心に負けて その少女に もう捨てられることがないか 聞いたのだった。  そうしたら その少女が一生 飼い続けると 誓ってくれた。  そう言った少女の顔は 真剣そのもので この少女ならきっと 大丈夫だと 思わずには いられないものだった。
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