よる(その7)

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よる(その7)

 だからボクは 急いでというか 途中から 心苦しく思いながらも家まで とって帰ったのだった。  そして子猫のクレヨンを そっと 抱っこして 段ボール箱の中に入れて 仕方なく あの少女との約束を守るために 段ボール箱ごと クレヨンを連れて 行ったのだった。  そのついでに 本物の黒いクレヨンを 段ボール箱の中に 入れておいた気がする。  多分この黒い色と 子猫が強く心に 残ったのは このときかもしれない。  このときがあったからこそ 黒猫を 今 飼っているのであろうと 思われた。  まあ本物の黒のクレヨンと 子猫の クレヨンの入った 段ボール箱を抱えて あの少女のところまで行って 子猫の クレヨンを 見せたのだった。
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