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ママと結婚した理由
それはある日のママがお風呂に入ってる時の話。
「ねえ、パパ。なんでママと結婚したの?」
突然、娘の彩葉はそんなことを聞いてきた。
まあ、彩葉も今年で17歳だから彼氏のひとりやふたりいるんだろう。
だから気になった…?のかな。
いや待て、彩葉に、こんなに可愛い彩葉に彼氏なんてお父さん許しません。
「彩葉の事は嫁には出しません!!お父さんは許しませんよ!」
「パパ、人の話聞いてた? ママと結婚した理由、この世界中の人の中からママを選んだ理由を聞いてるの。私結婚するなんて言ってない」
おっと、つい感情的になってしまった。
「ママと結婚した理由だったか、えっとね」
彩葉はまあ無理に聞きたいわけじゃないと言ってスマホをいじろうとした。
だがしかし、これは2年ぶりに訪れた親子の仲良しタイム。
いつもママとばかり話してる彩葉と話すチャンス!!
なので俺は少し咳払いをして彩葉の注意をこちらに向ける。
「結婚したのは彩葉が生まれる二年前。そして、結婚しようと思ったのはその三年前。ママと付き合う時に結婚しようと決めたんだよ。だってね、ママの告白可愛いんだよ…」
そう言って俺は長々と話していた。
簡潔にまとめるなら、大学生の時一個上の先輩である俺のところにわざわざ毎日来て、求婚してくるロリ顔の少女が可愛かったとだけ。
約1年間毎日求婚してくれたママには驚いたよ本当に。
ママと付き合う前にも結構告白してくれる子はいたけど毎日はなかったからね。
毎日俺と結婚したいと思ってくれる女の子は俺が幸せにするって思った。
するしかないって。
ちと、自分語りしすぎたかな。
「なにそれ、ママって可愛いところあるんだね…!」
彩葉はママって尊いね…って言いながら今年1番の笑顔で俺を見ていた。
あ、この笑顔、俺知ってる。
あの時、俺が、結婚しようって告白の返事に答えた時の彩華と同じ顔だ。
「誰が可愛いところあるんだー? てか、私がお風呂入ってる時にパパと話してる彩葉ちゃん珍しいわね」
「ママ!! いつもの事だけど服を着てからリビングに来て!パンツしか履かないのだめ!あと、タオルで隠れてるとはいえ、ちゃんとお洋服着るか、ブラつけて!!」
彩葉も、彩華もどっちも俺が幸せにしなきゃなと思った瞬間でした。
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