王道転校生、現る!!

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 巽と巡は学園の入口である正門の近くの草の茂みに隠れていた。  巽はワクワクしているのか、ずっと目を煌めかせている。  一方で、巡は眠いのかウトウトしていた。  「巡!寝ないでよ!」  「わかってるよ。でも、眠いから、なんか面白い話でもしろ」  「突然の無茶振りw」    巽が仕方ないなーと話し始めようとした。その時だった。  「でけー!!なんだ、この門!!」  そんな声が正門の向こうから聞こえてきた。  隣を見ると、巽はひどく興奮していた。顔を赤くさせて、息が荒くなっている。  うん、きもいな。  「きたよ、きたよ、きた!!!」  「あれが転校生なのか?」  「いえす!!」  確か、転校生は副会長が迎えに来るんだっけな。じゃ、副会長が来るまで待つか。  そんな巡の心の声を読んだのか、巽は気持ち悪い笑顔を浮かべた。  「それが違うんだな。王道転校生は身体能力が高い。だから、この正門を飛び越えてくるのさ」  「は?2メートル以上はあるぞ?」  「まぁまぁ、見てなって!!」    すると、何か黒いものが正門の上に登ってきて、そのままーー  飛び降りた。  「!?!?!?」  スタッ。  ーー黒い物体は綺麗に着地した。  「…お前の言った通りだな。すごいわ、あれ。人間なのか?」  「人間ですwそれより見ろよ!あの容姿!!」  「いかにも変装してますっていう見た目だな」  「www」  無表情ではあるが、ひどく驚いている巡。しかし、驚くのはまだ早い。
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