王道転校生、現る!!

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 あれから、巡たちはどうしたかというと…  「なんで、俺がおぶらないといけねぇんだよ」  「だって、鍛えてるしww」  「それはお前もだろ」  「まーまー、いいじゃん。ジャンケンで負けたんだからw」  巡は出雲をおんぶしていた。  あのまま放置するほど、俺たちは冷たくないんでね。  カシャ。  巽がスマホを掲げて、巡と出雲のツーショットを撮った。  平凡な男前が、美人副会長をおぶっているのだ。  面白くない??  「その写真、消せ」  「面白かったから、ついw」  巡はため息を吐いた。  「そういえば、転校生は大丈夫だよな?」  「理事長の甥のはずだから、大丈夫さ!」  「あの理事長に甥ねぇ…」  「まぁ、そんなイメージないよねぇw」  理事長、颯太はたまに偵察に来る時があり、学園中を歩き回るのだ。  クォーターなため、きれいな容姿をしており、颯太を見かけたチワワたちが黄色い歓声を上げるのだ。  穏やかな性格で、常にニコニコしているため、何を考えているか分からない。  巡はそう感じていた。  「さて、転校生も来たし、これからは楽しい、楽しいイベントがあるよ!!」  「はぁ、勘弁してくれ」  とりあえず、出雲は保健室に放置しておく。  後は、保険医が勝手にしてくれるだろう。  スマホを見ると、そろそろ朝のホームルームが始まる時間だ。  二人は慌てて、教室に向かう。
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