遠い日々に交わした約束

17/21
前へ
/347ページ
次へ
僕は白崎学園を設立した。 「ねぇ、剣」 立派な門を見ながら、僕は剣にこんなお願いをした。 「君に守護神をやってもらいたい」 「守護神?」 「うん。生徒たちを守る人になってほしいんだ。もちろん、表立って活動するのではなく裏でみんなを護る。そんな仕事」 剣は「いいぞ」と即答した。 即答するとは思わなかったので、僕は思わず目を見開いた。 「あ?断って欲しかった?」 「いや!そんなことないけど、即答するとは思わなかった」 「友達だからな」 剣の口からその言葉が聞けるとは。 嬉しくなり、泣きそうになった。 「…うん、ありがとう」 鬼島剣は白崎学園を守る初代守護神となったのだ。 それからの日々は忙しくて。 僕は会社の経営も学びながら、学園の理事長として運営していた。 叶も教師として教壇に立っている。 剣は伊集院家の執事をやりながら、守護神としての務めを果たしてくれていた。 全てが順調だったんだ。 僕は剣と一緒に学園を創ることができて、嬉しかった。いつまでもこの幸せが続くと思っていた。
/347ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1245人が本棚に入れています
本棚に追加