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某倉庫にて。
暗闇だ。
暗くて、怖い。
心音が速くなる。
隆明は手足を縛られていた。
「おい、佐久」
冷たい声が響く。
「お前、何迷ってるんだ」
「ーーー俺たちがしていることは本当に正しいのか?」
「何言ってる。俺たちにとってはダーク様が正義だ。ダーク様が言うことやること全て正しい」
「雷斗。俺は、もうあの人を…傷つけるようなことをしたくない」
「甘ったれるな!!」
何やら揉めているらしい。
雷斗と呼ばれた男は深いため息を吐いた後、巡を呼び出すために何らかやっているようだ。
綾瀬。
お前は来るな。
ーー来るな、と言ってもお前なら絶対来るんだろうな。分かるよ。
ただの後輩なのに、お前は他の奴とは違う。
必ず、俺を救い出す。
不思議とそう思えるんだ。
「なぁ、坊主頭」
隆明は佐久に声をかけた。
「俺さ、不思議と怖くないんだ」
「…なぜだ」
弱々しい返事が返ってきた。
「近くに綾瀬がいるような気がするからだ」
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