ダーク~本章~

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「伏せてください!!」 心の底から待ち侘びていたあの声が聞こえた。隆明は口角を上げた瞬間、椅子ごと体を倒す。 ガッシャーン!!!! ガラスが割れた音がした。 「…想像よりも早かったな。綾瀬巡」 雷斗の低い声が響く。 「そこの会長サマのおかげでね」 倉庫の周りには伊集院家のボディガードが包囲していた。彼らは執事ではなく、あらゆる危機から守るために集められた戦闘のプロである。 もちろん、巡が教えた優秀な者たちのみしかいない。 傷だらけの隆明を見て、巡は顔を歪ませた。悲しそうに。 「ーーー白崎学園の会長様に手を出した罪は重いぞ」 巡の逞しい手が挙げられた。 「会長サマを保護しろ」 その合図をきっかけに、当たる出入り口からボディガードが突入してきた。 隆明は潤の手によって保護された。 遠くなっていく巡の背中を見て、隆明はそのまま意識を手放した。
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