ダーク~本章~

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○○○秘密の治療室にて○○○ 実は白崎学園には秘密の治療室がある。大学病院レベルの医師が常駐しており、生徒たちに何かあった場合、すぐに治療または手術ができるようになっている。 その治療室の場所はごく一部の者しか知らない。そんな場所に隆明は眠っていた。 ガラッとドアの開ける音がした。ドアに目を向けた医師は、優しく微笑んだ。 「やぁ、守護神」 守護神、巡の体は銃を掠った痕があった。また危ない戦い方をしたらしい。 「ーー戸川先生」 秘密の治療室に常駐する医師とは、麻耶の同僚である戸川律である。 「また麻耶先生に怒られるんじゃないか」 「そうですね」 彼もまた、綾瀬巡の体を知る一人であった。 「あの、隆明様は?」 「無事だよ。傷はひどいが、致命傷ではない。今はゆっくり眠っているよ」 戸川はあるカーテンに指を差した。その方向へ、巡は歩いていく。 カーテンを開ける。 そこには、穏やかな顔つきで眠る隆明がいた。 「ーーよかった」 椅子に座り、巡は隆明の寝顔を眺める。 「さて、君の体も見ようか」 大人しく戸川の治療を受ける巡。 「言っても無駄だとは思うが、君の体はもうこれ以上耐えられそうにない。ダークの対策は虎丸に任せることはできないのか?」 「これは俺の最後の仕事なんです。死んでも必ずやり遂げてみせます」 「…だろうね」 戸川はため息を吐いた後、最後の絆創膏を巡のおでこにかなり強めに貼る。 「いった!」 「これくらいの意地悪は許せ。麻耶先生の分もあるんだからな」 「…はい」
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